実写邦画が豊作 No.348 2025年の映画界は実写邦画がすこぶる豊作だった。 歌舞伎の世界に生きる若者を描いた「国宝」は、22年間、邦画実写映画の興業収入第1位を守ってきた「踊る大捜査線 THE MOVIE2」を抜き去り、その勢いはまだ続いている。また戦後の沖縄とコザ暴動を描いた「宝島」は、興行成績こそふるわなかったが、戦後80年の今、見ておくべき作品となった。 他にも、昨年、49年の逃亡の末、入院先で本名を明かし死亡した連続企業爆破事件の被疑者、桐島聡の人生を描いた「『桐島です』」、闇ビジネスの世界から抜け出そうする若者の3日間の逃走劇である「愚か者の身分」、借金取りに追われるシングルマザーが子どもたちの夢をかなえるため、危険な世界へ足を踏み入れる「ナイトフラワー」、中年男と刑事の爆弾をめぐる攻防と捜査を描いた「爆弾」などなど枚挙にいとまがない。 映画はエンターテインメントであると同時に時代を描きだす映し鏡でもある。そこで学ぶことも多いし、また影響されることも。 2026年はどのような作品に出会えるだろうか。今年に負けず劣らず私たちを唸らせてくれるだろうか。期待を胸に映画館に足を運ぼう。(ぴ)
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